死都日本/石黒耀を読んだ。

死都日本 (講談社ノベルス) 死都日本/石黒耀

第26回メフィスト賞受賞作で日本地質学会より表彰された作品。
表紙を見てなんか日本沈没/小松左京を思い起こさせるなぁと思いながら購入。
内容は九州で起きた破局的噴火により崩壊に向かう日本を描いた災害小説。
どうしても日本沈没と比べてしまって正直食い足りない作品だった。
天孫降臨イザナギイザナミ神話などの古事記の記述を火山と絡めて再解釈したり、
ヨハネ黙示録やアトランティスなどを火山と絡めて読み解くあたりはムー的なものが好きな人間としては非常に面白いんだけど、
災害に対する政府の反応など政治的部分がやはり弱い気がする。
政治的駆け引きやそのプロセス、最後の日本再生へ向けた首相の演説は、
正直ファンタジーとしか言いようのない内容でラストがしょんぼりする。
主人公がキーとなるには説得力がちょっとねぇ。