何を読めばいいかわからなければとりあえずはランキング。


NHK総合の「クローズアップ現代」が「ランキング依存が止まらない〜出版不況の裏側〜」という内容を放送した。
ランキング依存が止まらない〜出版不況の裏側〜

このほど、出版社の倒産件数が15年ぶりの高水準を記録したことが明らかになった。
かつて「声に出して読みたい日本語」などのベストセラーを生み出し、じっくりと本を育てることで定評のあった草思社も経営が破たん。
背景には、読者の本の選び方が劇的に変化していることがある。
「売り上げランキング」をもとに本を選ぶ人が増加。売れる本への一極集中が顕著となり、
書店ではランキングに入らない本は即座に返品することが常態化している。
短期間で売り上げ実績をあげる必要に迫られた出版社は、出版点数を急激に増やし、本の寿命が短くなる事態を招いている。
日本の出版界の根幹を揺るがし始めた読者の変化。その知られざる実態に迫る。

残念ながら放送が見れなかったので再放送してくれないかなぁと思ってみたり。


http://d.hatena.ne.jp/solar/20080605/p1
実際に出られた方のブログ。
「ランキング依存」が悪いことのように語られている気がするが、別に悪いことでもない気がする。
というか近年のランキングに関しては、「このミステリーがすごい」とかの「この〜がすごい」系のランキング本が主導してんじゃないのと思ってみたりする。
読みたいけれど何を読めばいいのかわからない人たちの最初の一歩としてランキングが活用されることはあたりまえな気がするけど。
読まない人たちはたぶんランキングだろうがなんだろうが読まないと思われ得るのでほっとけばいいんじゃないかと思ったりする。
その人たちを新規読者層(新規購買層)として獲得したいなら、それこそムーブメントを捏造するしかないんじゃないかと。
本屋で大学生と思しき人が「たまには読書したいんだよねぇ」といいながら"恋空"を手にしてる姿を見たら、
彼らが本を選ぶ際の選択肢はその時流行ってるもの以外には多分あり得ないと思う。


http://d.hatena.ne.jp/m_tamasaka/20080606/1212716010

娯楽の数は際限なく増え、上澄みを広く浅くつまんでも1日24時間では足りないくらい多様化しています。
そのような消費のスタイルを持つ人たちに旧来のやりかたで接しても、引かれるだけです。
本に執着がない人たちを相手に数字を出したいのならば、「本」を売りたいという欲はぐっと抑えて、
違うやり方を模索しなければいけないということなのではないでしょうか。

本を読むことは娯楽の一つにすぎないと認識したうえで、優先的にそこに時間を使わせるためにはどうすればいいのか。
こう書くとTVが直面している問題とまったく同じなんだよなぁと思ってみたり。


こうしてみると本を売るためには、読書がいかに面白い娯楽であるかということを教えることが重要な気がする。
「本を読解するという意味でのリテラシー」でも「本を買うためのリテラシー」でもなく「読書が面白い」ということを理解させること。
一番大切なのは子供の時に面白い読書体験をさせることだと思うんだけどね。