デンデラ/佐藤友哉を読む。
新潮1月号にて佐藤友哉の「デンデラ」を読む。
久しぶりに佐藤友哉らしいものを読んだ気がする。
「子供たち怒る怒る怒る」以降はそれまでの作品の持っていた、
絶望的でそう在らざる得ない現実のリアル(同世代が共感しうるレベルかもしれない)が感じられなかったけど、
この作品ではそういったどうしようもなさが描かれてるなぁ。
良くも悪くも佐藤友哉らしさが戻ってるなぁと思う。
読んでみた感想としては、地の文が語りの口調であるのに対して、
老婆たちの使う言葉が現代的で論理的な口調で違和感がバリバリだった。
あと「村」、「姥捨て」などのキーワードがある物語であるのに、
登場人物がすべからく苗字を有していることとか、
70オーバーの老人なのに動きすぎるとかいろいろと違和感が。
最もこの物語はそういった時代(姥捨てがあるような)の物語として読むべきではなく、
現代社会のメタファとして捉えるべきなんだろうけど。
いろいろと考えたいことはあれどもまとまらず。まぁいいや。