渋滞に関する研究。


「渋滞学」の権威、西成活裕東大教授が伝授! 目からウロコの“究極”の渋滞回避術 - 日経トレンディネット
ちょっと面白い。気になる部分抜粋。

――そういえば、クルマ1台1台にIPアドレスなどを割り振るという話もありますが、
そうした管理によって渋滞をコントロールするというのはいかがですか。


西成教授:いきなり、カーナビのモニター画面に
「あなたのクルマは、直ちに隣の車線を走りなさい」なんて出たらイヤじゃないですか。
今、どこで何をやっているかがすべて分かってしまうようなITによる管理社会は避けたいですね。
繰り返しになりますが、もっと生き生きと人間らしい生活が送れる社会にしたいです。


 例えば、天気予報のように、高速道路の電光掲示板に
「渋滞確率80%」といった具合に出すのも面白いのではないかと思います。
現在は渋滞情報を出していますが、渋滞を予測して渋滞警報を出すのです。
それを見たドライバーが速度を落として車間距離を空けてくれることで、
渋滞確率が下がれば、ドライバーもうれしいと思うんですよ。
電光掲示板に「皆さんのお陰で渋滞確率が減りました! グッジョブ!」
みたいな感じで表示してほめてあげれば、ゆっくり走ることで損した気持ちになるどころか、
「社会に貢献したぞ!」という気持ちになってますますやる気が起きるでしょう。

それは、10分〜15分後の交通状況に関する情報を伝えることです。
カーナビに、例えば「15分後、この道がこの程度混みます」といった情報を出すと、
「じゃあ、こっちの道を通るか」という風に迂回するドライバーが出てきます。
それによって、各クルマがうまく分散し、渋滞が軽減されるのです。
コンピュータシミュレーションを行ったところ、経路が数通りあれば、
均等に選択されるという結果が出ました。


 一方、リアルタイムの交通状況を発信してしまうと、
今、空いている道だけに人が集中してしまい、かえって悲惨なことになるのです。
つまり、未来の情報を提供する方が選択肢が広がり、人は分散するということです。
最近、海外の研究者が論文の中で同じような内容を発表しているのを目にしました。


 “15分後”という未来の情報は、今の交通量を基に加速度計算することで簡単に求めることができます。
今後、コンピュータシミュレーションの精度を高めていけば、
30分後、1時間後の道路の状況をより正確に提供できるようになるはずです。
それによって交通全体の流れが良い方向に向かうのではないかと思っています。

さまざまな媒体での情報インフラが整ってくるとこういった形で知らない間に誘導されるのかねぇ。