滅びの風/栗本薫を2冊目買う。

滅びの風 滅びの風 / 栗本薫 早川書房 1988/11

読んだ気がするんだようなぁと思いながら買ったら案の定部屋にあった。
せっかく買ったので改めて読むと、やっぱりこの頃の栗本薫は面白いなぁとしみじみと思う。
作品は"滅び"を題材に書かれた短編集で、同じモチーフが繰り返し現れてくるところがややくどくはあるけど、
速やかにやってくる瞬間的なものではない、緩やかに確かにやってくる滅びが静かに描かれている。
世紀末が過ぎ、新しい千年紀が訪れて、それでも存在している人間の姿が、作中の滅びゆく人類と妙に重なって見える。
できればその滅びの先の世界がどうなるか一目でも見ることができればいいのにと思わなくもない。